エストニア留学日記。

女子大生が送るきままな留学のお話。

人生を、漕ぐ。

毎度ご無沙汰しております。

いつも、ご愛読ありがとうございます。nakabeniです。

 

エストニア留学が終了してから1年経ち、大学4年の最終学期が9月から始まりました。あと半年で卒業。社会人になります。

最近、「このブログ始めたての頃、どういう気持ちで書いてたかなぁ」と、久しぶりにふと最初に投稿した文章を見たのですが、、初々しい。まだ大学4年間の時間がなぜか永遠に続くと思っていたことも、このブログをエストニア留学を考えている方々に本当に届けたい一心で開設した思いも、鮮明に蘇ります。なんというか、過去の自分を愛おしく抱きしめたくなる気持ちになったゼ。。(照)

 

自惚れはこの辺にしておき、、今日はそんな私の留学後の就活話、この先の進路についてお話しいたします。先週、私のブログの読者さんと、エストニア留学について対話させていただく機会があったのですが、留学後のこれからについてもシェアできれば、何かしらお役に立てるんではないかなと思った次第です。ずっとお話ししようと思ってはいたんですけど、「今じゃない、今じゃない」と、どこかに終着する時を待っていたんですが、こんな瞬間を文字に起こすのも良いのかなって。

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結論から申しますと、私は今月、来年春に入社予定だった、大学1年生の頃から携わらせていただいた、本当に大好きな会社の内定(?)を辞退しました。

現在、就活でいう"持ち駒"もありません。というか、もともとなかった。でも、ここ半年、最高に幸せなんです。背後になって見えない人生を、自分の力で漕いでいるみたいで。

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2020年8~12月

"就活"を始めたのは、去年の8月。エストニアから帰国して、2週間自主隔離生活をしていた時でした。

将来のキャリアを考えることをずっと後回しにした結果、就活を機に現実と向き合った事で、未来に対して強い不安を感じたからこそ、手探りに会社説明会や22卒向けのインターンに応募したり、毎週のように先輩や大学の就活支援室に相談しに行きました。

 

本気で取り組んだ分、本当に素敵だと思える会社にもたくさん出会いました。だから、応募した会社は全て第一志望でした。自分にも、選ぶ会社にも嘘をつけない性格なので、面接の練習台として利用した会社は1つもなかったです。でも、"就活"という言葉だけで、身にまとうものから全て、マニュアル化されたレールに滑り込まざる負えない感覚は、魅力的な企業を見つけた時のワクワクを、押し潰すほどの失望感にまで駆られました。ポテンシャルを見て新卒採用していただける、ありがたい社会は、日本だけだと思う。でも、就活用バッグを探してて、「黒色でそれっぽい好みのデザイン」を手にした時、「いや、でも好印象には決まったこの就活用バッグで...」と、何度も店員さんにやんわり強要されたことなど、些細なことだけど、精神的に辛かったんです...。

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そんなこんなで、12月ごろから街でリクルートスーツを多く見かけ、就活が本格化するに反比例し、まともに就活の波に乗り切れなくなっていく自分の情けなさに毎日涙が出るようになりました。でも、振り返ると、ここが一つ大きなターニングポイントだったと思います。1週間、就活に関して頭を空っぽにして日々過ごした途端、「自分には、肌に合わない」と、本当にこれを境に何かプツンと切れたように、勝手に自分をはめ込んでいた"こうあるべき就活”をやめ、素直に気になっているものだけに、ポップに飛び込むようになりました。

 

それが、私は日本酒でした...。笑 

去年の7月から、日本酒の原料や製造工程やラベルの男臭さも、調べるたびに興味が湧いてきたのです。

2021年1~4月

最近では、地方の酒造も少しずつ就職・採用情報サイトに掲載していて、1dayインターンシップ等、酒造りの一部工程を体験させていただくプログラムをご用意していただいている会社もあります。コロナ禍ではありますが、現地に赴いて実際に対話させていただく機会は一生ものだと思い、1月に地方のある酒造会社が提供していた1dayインターンに参加しました。実は最初、定員オーバーで断られたものの、後に欠員が出たのか運良く行けることに...!!! 

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当日1dayインターンシップに参加していたのは、私ともう一人、京都から来た女の子。「一人一人と丁寧に対話したい」という醸造家さんたちの思いで、あえて少人数規模で開催しているそう。(そこがまた素敵...!!)新酒作りでお忙しい冬なのに、交代交代で醸造家さん達が蔵を案内したり、一緒に昼食をとったり、利酒講義をしてくださいました。

 

後日また、就活のために訪問しましたが、泣く泣く敗退。でも、ここで出会った醸造家さん達をきっかけに、日本酒に魅了された気持ちは本当でした。だから、その後も、調べた日本酒について絵で表現したり、三重県の酒造の会社説明会に応募して”就活”を身に纏いながらも、代表さんとお話させていただくなど、その後も活動は続けました。ただ、当時はいざ蔵人として就職したいという確固たる決意までは至れなくて、その思いにふと寄り添った瞬間、諦めきれない感情を持ちつつも、一旦酒造業界を見ることはストップしました。

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三重に足を運んだときに参拝した、天照大神を祀る伊勢神宮皇大神宮

2021年5月〜イマ

そして、「就活をもう、やめよう。」と吹っ切る気持ちにのって、大学1年生から所属していた、最近法人化した学生コミュニティに就職することを前提に、そこでインターンシップを始めました。もともと、日々の活動を通して、大学1年生の頃から今まで「ここに就職できれば、きっと楽しいだろうなぁ」とずっと感じていたので、幸せな決断でした。毎日、のめり込むほどにお仕事が楽しかったです。でも、デザインについてもっと専門的に知ってみたいと、7月から週1で他社でインターンを始めました。

 

毎週2社でインターンさせていただいたからこそ、自分のことも、内定先のことも、無意識に俯瞰していました。内定先で続けていたお仕事を心から楽しく打ち込んでいたのは嘘じゃない。ただ、私はこの会社とどこに向かいたいのか、自分自身が共に考えられなかったことに苦しみを感じていたのも本当でした。そして、これから先も、この感情はきっと消えるものではないだろう、と感じ、先日、内定を辞退しました。仕事が楽しいだけで私はもう恵まれているのは百も承知です。”仕事”って無限に楽しくなるもの、ということも教えてくれたのはこの会社でした。

 

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名著、「選択の科学」に記載しているホワイトホール研究では、「人々の健康に最も大きな影響を与えた要因は、人々が実際に持っていた自己決定権の大きさではなく、その認識にあった」と述べています。他の社員が幸せと自由を感じる職場も、自分にとってはそうでないことだってあります。誰だって、何に対して幸せと自由を感じるかは、本当に十人十色。

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現在はもう一方の会社でインターンを続けながら、生きてます。

でも、幸せだと思えるのは、自己決定権を感じながら、今を生きてるからだと思います。12月、悶々とした空気を吸って吐く毎日を断ち切り、醸造家に会った事やその後のインターンを通して、独走する恐怖心の中にも自分が築く選択にワクワクを見出せていたんだなと振り返ってそう感じます。

 

現在、日本の人口は約1億2600万人、大学の学生数は約290万人いるそうです(旺文社 教育情報センター (2020年11月2日)より)。それだけ、事象に対する捉え方・感情も様々だし、私たちが人生を漕ぐカタチも違って当たり前だと思うんです。漕ぐことを休んでもいい。気の向くままに、自分のペースを信じて漕ぐのが丁度いいのかなと。

そんなこんなで、現在の私に至ります。

 

(お役に立てたかどうかわからないのですが...。)最後まで読んでいただき、ありがとうございました!今日も、素敵な日をお過ごしください。

 

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いつかのランニング中に見た景色。