エストニア留学日記。

女子大生が送るきままな留学のお話。

エストニアの独立記念日。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。nakabeniです。

 

2月24日はエストニア独立記念日102周年でした。

今回はそんな独立記念日のイベントの様子をお伝えいたします。旅の続きはまた後程。

 

私は先日、カフェで知り合ったフィンランド人のタルトゥ大学の学生さんと、エストニア語を勉強していて、私のブログよ読んでくださっている日本人の方と一緒にタルトゥの独立記念日イベントを見に行きました。

 

2月24日、午前9:15。最初のイベントは青い空の下、カレヴィポエグ像の前に集合。

f:id:nakabeni-life:20200224092617j:plain

カレヴィポエグ(kalevipoeg)とは、1862年、クロイツヴァルドとフェールマンによって書かれた国民叙事詩です。エストニアの独立意識を高めるのに貢献された伝説の英雄、カレヴィポエグの冒険談を描いたエストニアの神話です。

 

この像の前で演説されている方は、国防軍の方。(ちなみに、エストニアには徴兵制度があります。)その周りを囲む様々な三色帽子に旗旗を掲げる学生団体(EestiÜliõpilasteSelts, EÜS) です。この学生団体は1870年に設立され、長い歴史があります。1940年にソ連エストニアを占領した後、全ての学生団体は禁止されましたが、1988年、学生会はタルトゥに再設立されました。

彼らが被っている帽子が欲しくて、いろんなお土産店を回りましたが、非売品。エストニア人の大学生で1年生から学生団体に入っている人だけがもらえるらしい。タルトゥ大聖堂に売っているのは見たけど、20€以上したし、観光客に販売しているものだから、買うの迷うなぁ。

 

次にみんなが向かうのはトーメの丘にある展望台。

f:id:nakabeni-life:20200224102716j:plain

f:id:nakabeni-life:20200224104804j:plain

大人も子供も参加しています。

一点気になったことですが、私達が式典を見ている時、エストニアの国旗をみんなに配っている学生さんを見ました。フィンランドの友達が私に伝えてくれたことなのですが、彼らが配るエストニアの国旗の裏には"Isamaa"という文字が描かれていました。Isamaaとは、エストニア語で”祖国”という意味です。エストニアには、祖国党という政党があり、ちょっと問題視されている党の1つらしく、だから配っているその旗を受け取らない方も多くいるのね。また後で説明いたします。

 

最後のイベントは、ラエコヤ広場でフォークダンスを踊ります。

みんなで民謡を歌って

f:id:nakabeni-life:20200224111645j:plain

踊って

f:id:nakabeni-life:20200224113405j:plain

f:id:nakabeni-life:20200224114020j:plain

最後は一般の方も参加して、一緒に踊ります。

私もご一緒させていただき、とっても楽しい時間を過ごしました。

 

午後1時。タルトゥのバス停に向かい、これから私の新しいルームメイト(アメリカ人2人、アルメニア人2人、チェコ人1人)と日本人のお友達と一緒にタリンまで向かいます。タリンでは軍事パレードが行われるみたいだから楽しみだなぁ。イベントは6時に自由の広場で行われます。

f:id:nakabeni-life:20200224160511j:plain

それまで一緒にタリン旧市街を観光

のはずが、

会場は、なんだか様子がおかしい。

f:id:nakabeni-life:20200224183351j:plain

覚えている範囲ですが、ここで配っていたエストニアの旗の裏に描かれたのは、

「EESTI EEST!」「Eesti Konservatiivne Rahvaerakond (EKRE)」と書いている文字。EKREとは、エストニア保守党という意味。つまり、この6時から21時までは反EU、移民排斥を掲げている極右政党を支持する人々が松明を持って街を練り歩くというイベントでした。トランプを支持することを書いている大きな旗を揚げているかたもいらっしゃいました。

移民排斥を掲げる中に外国人の私達がいるというなんともカオスな状態。私たちは配られた松明を火を灯す前にすぐ返し、近くのバーでタルトゥ行きのバスをみんなで待ちながら楽しくお話をしました。 

 

軍事パレードは13時に終わっていたらしく見れなかったけど、エストニアの右翼政党の支持が高まっているという状況を肌で感じることができたのは、貴重な経験だと思います。ただ、ちゃんと調べずに多くの人が参加する、という情報だけでみんなとタリンに向かったのは本当に危ない行為でした。。ほんと反省。(本当に、特に何もなく無事に帰ることができて良かったです。)

ちなみに、そのイベントの様子の記事が掲載されていますので、リンクを張っておきます。↓


今年、大統領を招待して独立を祝った場所はViljandi (タルトゥからバスで小一時間くらいのと場所)。「エストニアはタリンだけではないよね。」と、毎年違う県で独立を祝うみたいです。最近始まったみたいで、去年はタルトゥだったそうです。

 

f:id:nakabeni-life:20200224195438j:plain

バーから外に出てみると、大勢の人が旧市街を練り歩いています。

このアクシデントで、少しエストニアの政治に興味を持ったので、調べてみました。

 

エストニアの主な政党はこんな感じ。

上の二つ中央党、改革党の中道左派・右派を軸にした構図でした。

しかし、 2019年12月31日のERRの記事によると、2019年、ほとんどの党がメンバーを失う傾向に逆行し、保守党(EKRE)の会員数が増えたというのです。

 

中央党は、最もメンバー数が14,695で最も多いいのですが、2018年末から230減少。

2位の改革党は、11,785ですが、3年前より661人減少。

祖国党は、430人減少し、過去3年間で千人以上連立政党を去り、主要政党の中で最も大きな損失を出しました。

対して、保守党(EKRE)は、8,849人で、過去3年間で749人増加しました。

 

同じ内容が英文で記載されております↓

Most political parties see falling membership in 2019, EKRE bucks trend | News | ERR

 

イタリアやポーランドハンガリーEU統合強化に懐疑的な勢力が政権を握り、既存の中道右派・左派の二大勢力を軸にした構図が崩れつつあります。エストニアでの保守党の躍進もこの一環のものなのではないかと...。自国第一主義の思想はエストニアまで広がっています。

 

今回のタリンで保守党勢力の異様な高まりを肌で感じることができ、国民の1票の価値ってやはり大きな力があるのだなぁ、と今更ながら痛感しました。

正直、日本の政治について興味はなかったし、知らないことばかりなんだけど(大人だしもう本当に恥ずかしいほど...)、自国の政治を早くちゃんと知らなきゃいかんと改めて思いました。エストニアで、自分の日本社会に対する知識の少なさを思い知る。

 

はぁ、がんばろ、、!

 

 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

質問、ご感想など、どんどんお待ちしております!

 

それでは、今日も良い一日をお過ごしください。